Q1.八卦掌とはなんですか?
A.優れた武術です。円周上を歩きながら無上の技を創り上げます。
Q2.ただ円周上を廻るだけで技になるのですか?
A.歩き方が重要です。泥の仲を歩くように歩きます。粘るような動きで技の力を向上させるのです。
Q3.八卦といいますと、易と関係ありますか?
A.易の理論で拳法が説明できます。ただし注意していただきたいのですが、易の理論に合わせて拳法を創ったのではなくて拳法がまずあって、それを易の理論で説明したのです。だから易の理論と合致しない部分があります。これは形意拳と五行説、太極拳と陰陽説の場合も同様です。
Q4.その特徴を説明して下さい。
A.擺歩といって爪先を外側に向ける動きと、扣歩といって爪先を内側に向ける基本の脚さばきがあります。これはただ爪先の向きを変えて方向転換してるだけではなくて爪先の向きを変える事で身体をねじり全身にエネルギーを蓄えているのです。
Q5.動きがきれいですね。
A.はい、そうですね。しかし、あの動きは美しくしようとして創ったのではなくて身体と功を練り上げ、勁(エネルギー)を溜めているのです。ちょうど弓を引き絞ったようなものですね。その蓄積されたエネルギーを発するときあの独特な動きが生まれます。まるで想像上の龍が動き出したような感じです。わたしもあの動きに魅了されました。
Q6.龍といえばあの掌の形は?
A.龍爪掌といいます。龍が珠を掌中にした形です。これは気功法としても優れていて口伝を受ければ優れた武技になります。
Q7.健康法と関係ありますか?
A.はい あります。というより内功の稽古をしていると身体が丈夫になり活力が湧き上がってくるものです。寒いときでも暖かくなってきますから肌もつやつやしてきて若々しくなります。不老長寿というのもあながちウソではないのです。ですから太極拳でもそうですが実年齢よりもずっと若く見えるのです。
Q8.いろんな流派がありますか?
A.そうですが、姜容樵先生が張占魁先生伝のものを、整理されたものが多いですね。私の所でも練功法として行ってます。さらに張峻峰老師伝のものを稽古します。
Q9.武術をやる上で大切なものは何ですか?
A.まず必ず武術を身につけるんだ、という強い意志を持って練習して下さい。体力は人並みで十分です。女性や年配のかたでも大丈夫。ただし大学生以上。高校生以下は不可。
あと運と縁ですね。わたしがここまでやってこられたのもたまたま私の住まいが師の家の近所だったということで、いつでも稽古をつけてくれたのです。そのあとでも大阪のカルチャーセンターの講師として22年にわたり武術三昧の日々を過ごせたということです。運が良かったと思ってます。